理事長所信
世界への扉を開く――
大学卒業後、私は異国での生活を経験し、 東南アジアを中心とする発展途上国を渡り歩いてきました。そこで「生きる」という人間の最低限の権利さえ脅かされている現実を目の当たりにし、改めて我が国、我がまちの豊かさを深く感じ、先人たちに思いを馳せ 、 万感胸に迫るものがありました。言葉は通じず 、 頼る先の無い世界で挑戦と失敗を繰り返す日々。一生分にあたるほどの恥をかき 、 一人涙した夜もありました。何度も逃げ出そうとする私を支えてくれた幼少期に定めた理想の未来 。その支えを胸に自分で決めた道だからと己を律し、先人たちの努力に負けじと心を奮い立たせ、自らの行動で道なき道を切り拓いてきました。 そして、世界に身を投じ理想を追求することの尊さを学び、未知との邂逅によって自分の中に新しい可能性が芽生えた喜びとそれを開花させる揺るぎない自信を得ました。 人は「 到達の測れない理想 」を掲げてこそ直向きに努力を重ねることができ、広大な世界への勇敢な一歩が自らの人生を大きく切り拓くのです。
湖北地域繁栄の礎を築いた先人たちは、私たちが想像もできないほど大きな壁と向き合いながらも時代の趨勢を見極め、滾々と湧き続ける英知と勇気と情熱で明るい豊かな社会を築き上げようと努力を積み重ねてこられました。そして私たちが幼い頃、このまちの未来に夢や希望を抱けたのは 、如何なる難題も愛し地域改革に打ち込む大人たちの姿があったからです。次代を担う私たち青年は現状に甘んじることなく 、先輩諸兄姉が汗と涙で勝ち取った自由を最大限に活かし、理想の未来実現へ向け広大な世界に立ち向い 、 雲外を穿つほどの努力を続けなければいけません。そして、このまちを笑顔で駆け回る子ども達に未来に対する更に大きな希望を抱かせ、彼らの瞳を輝かせたい。私はそう強く願うのです。
私たちの理想―――
私たちが描いた理想の未来「湖北対流都市構想」も4 年目を迎えます。都市部の経営資源を湖北地域へ誘う仕組みが私たちの青年らしい挑戦により形を帯びてきました。本年は、仕組みを運用するフェーズへと移し、多種多様な人々の想いが行き交うまち湖北を創造します。今後も湖北が豊かであるためには、内なる活気と外部視点を掛け合わせ、新たな 文化やビジネスのシーズを生み続ける環境が必要不可欠です。そのためには、これまで対流を起こしてきた都市や地域、まちづくりに携わる団体及び個人と連携し 、 湖北を「知る機会」の創出と更に「関わりしろ」を増やすことで、より一層大きな対流へと変容させることが重要です。いつの時代もまちづくりの最大の資本は人であり、技術では決して代替えすることはできません。青年ならではの発想で失敗に臆することなく挑戦と努力を重ね、湖北の未来を切り拓いていきましょう。
理想への挑戦―――
これまで私たちは、人や資金を呼び込む仕組み「H uman Capital Labo 」の構築に向け、東京都台東区をはじめとする連携都市とオンラインプラットフォームを共有することで実用できる状態へと運動を推し進めてきました。本年は、仕組みを通じ人々の往来を実現することで実績を積むと共にその魅力と有用性を広く発信し、多くの主催者と利用者を獲得する必要があります。古来より脈々と受け継がれてきた湖北地域の豊かな歴史には計り知れないほどの求心力があります。既存の連携都市に向け湖北地域に根付く数々の歴史的資産の魅力を強く訴求し、戦略的な仕組みの運用方法で連携都市間での経営資源の往来を試みましょう。そして、青年会議所のスケールメリットを活かし、日本各地に対流の熱源となる拠点を設けることが更に大きな対流を引き起こし、今後の湖北の経済的繁栄を支える基盤になるのです。
まちづくりに関わる機会を将来の担い手に提供することは、このまちの独自の文化を生み、更にその文化を育てる人を創る好循環へと繋がります。本年は、若い世代が活躍できる仕組み「湖北プロデュースカレッジ」の構築に向け、多くのまちづくりプレーヤーや教育機関と手を取り合い、 若者を呼び込み多彩な発想が飛び交う場を創出する必要があります。そして、昨年立ち上げた湖北の新たな賑わいに更に多くの若者の夢や希望を吹き込み、且つ意思決定の側面をもたせることでまちづくりへの主体者意識と郷土愛の涵養に繋げましょう。点と点を結び線とすることで地域全体を活性化させる視点を持ち、古くから経済圏を共有する地域と連携し対流を起こすことで 、 湖北地域を代表する新たな賑わいへと昇華するのです。次代を担う者同士で未来を語り合い、私たちの手で求心力溢れるまち湖北を実現しましょう。
いつの時代も社会に問いを立て 、新たな価値を生み出した人材が世界を牽引しています。 これまで私たちは、 未来を担う青少年を育成する仕組み「 Educate 0 1 」の構築 を目指し 、理想の子ども像を掲げ、実社会に開かれた体験型教育の骨子を示し広く地域に発信してきました。この教育を持続的なものへと昇華させ、世界で活躍する人材を輩出するためには、「革新者たち」の知見に触れる機会と「社会とシームレス」な環境を整え、子ども達が自らの理想実現に向けて能動的に挑戦できる場を創出し 、 比類ない教育の形を確立する必要があります。成功や失敗に捉われず、自らの目標に向かって挑む姿勢こそ正義であり、挑戦の習慣化が未だこの世に存在しない価値の創造に繋がるのです。そして、教育の 有用性 を示すことで 賛同を得て 多くの 企業や教育関係者 を巻き込み、 子ども達 が 世界へ羽ばたく 土台 を築き 上げましょう。
仲間たちへ―――
昨今、マウスイヤーと比喩されるように私たちは日々目まぐるしく変化する時代を生きています。後悔先に立たず。数年後に今を振り返り、時代の節目だったと嘆いても遅いのです。企業経営者である私たちは、過去の栄光から脱却し、新しい時代を受入れると とも に未来を見据え、賢明な判断を下さなければいけません。そのためには、自らの理想を見つけるための「 行動と試行錯誤 」を繰り返し、 実現へ向け 命懸けで挑み続ける覚悟 が不可欠です。 そして、あらゆる常識や前例を疑うことから始め、 時代の変化に躊躇なく対応できる人物こそ 、未来の経済界を牽引する真の経営者であると考えます。
次代を担う私たちが青年会議所に身を置き、日々仲間と共に自己研鑽に励むことが湖北地域の発展に直結することを私は信じて疑わず、その信念を貫いています。経済の活性化が競争により生まれるものだとするならば、青年会議所はまさにその縮図です。帰国後、理想への歩みを進めるべく青年会議所の門を叩いた私は、一企業の将来を背負う人々と出会い、自らのプライドを懸け互いの価値観をぶつけ合うなかで「 挑戦してこそ人生は拓ける」ことを確信し、頻りに雲間から射す一筋の光を感じています。世の中に はリスクを回避する考えが蔓延っており、この考えが個人の可能性を抑制していることは明白です。 今後も湖北が豊かであるためには、会員一人ひとりが自らの理想を堂々と語り合い、実現のための挑戦を讃え合うことが重要です。 今こそ、次代を担う私たち青年が仲間と共に切磋琢磨することで自己改革に励み、希望溢れる未来を大胆に描き、広大な世界への挑戦と不断の努力で新しい時代を切り拓いていきましょう。
理想なき者に挑戦なし、挑戦なき者に成功なし
青年の若々しい英知と広大な世界に飛び込む勇気を集結し、風雪に耐えぬく情熱で
青空へ翔けて、翔けて、翔け抜けていこうではありませんか。
基本方針
「雲外に蒼天あり」
遠く気高き理想を求め
広大な世界への挑戦と不断の努力で 青空へ翔け抜けよう
運営方針
○ 自らの理想を大胆に描き 、雲外を穿つほどの挑戦と努力を重ねよう
○ 湖北対流都市構想を推進し、人々の想いが行き交うまち湖北を創造しよう
○ 自らを律し、品格と責任ある行動で地域社会の模範的存在となろう
○ 会員同士が夢や希望を語り合い、活力に満ち溢れた組織を形成しよう